創立85周年記念 紫友同窓会の記録

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2003年5月25日。同窓生を迎えたのは青空に泳ぐ鯉のぼり。
クリックすると「鯉あげ」の裏話が読めます

同窓会を振り返る                   柴田知彦
ここに紹介するのは、2003年5月25日に小石川高校のキャンパスで執り行われた創立85周年記念紫友同窓会の顛末です。
その日人々は校内にさんざめき、園遊会が華やかに繰り広げられました。そして、この1日の出来事は、夕方には幻のように跡形もなく消え去り、おそらく在校生諸君はそのことに気づきもしなかったでしょう。
3年にわたり準備したこの同窓会で改めて私達が見出したものは、旧制府立五中そして今日の都立小石川高校に通底して流れる創立者伊藤長七の建学の理念、立志・開拓・創作の三校是であり、人を束縛せず己を解き放す自由の精神でした。
私達の心に今日も生き続けるこれら建学の理念を辿り、そこに光を当てることが、この記念同窓会のテーマとなりました。準備過程の行動規範として、長七のとらわれない元気の良さが意識されたことは言うまでもありません。


創立85周年記念紫友同窓会を、前日の準備風景から当日の校歌斉唱の最後までを、時間を追って写真でご紹介いたします。

多くの写真((click!)の表示がついたもの) は、クリックすることでより詳細な報告を読むことができます。
特に「小石川賞」は是非見ていただきたいと思います。
前日の2003年5月24日 主会場のアリーナ
11:00〜18:30会場準備 16:00 リトルストーンズリハーサル
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同窓会の第1部は授賞式等のセレモニーのため椅子席。アリーナ一杯に椅子が並べられた
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この同窓会のために再結成。オープニングと第2部のための入念な準備が行われた
14:00 パーティー準備 18:00 式典リハーサル
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同窓会の第2部はパーティーと舞台。アリーナの一角はパーティーのバックヤードに
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式典は秒刻み。ここでも入念な準備が行われた。なお、銀色のジャンバーはスタッフのユニホーム

当日の2003年5月25日
8:30 スタッフ集合 展示物も準備中
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前日から進められた伊藤長七展の展示準備
料理の搬入も   (click!) 10:00 受付開始
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パーティー担当は、K.I.S.S.。そこにも隠されたドラマが!
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主会場のアリーナ
10:40 リトルストーズ演奏   (click!) 同窓会のイベントはアリーナ以外も一杯
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開会前の雰囲気を一気の盛り上げたリトルストーンズの演奏
11:00 開会挨拶     (click!) 3階フロアーで行われたお茶会   (click!)
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林会長の開会の挨拶で同窓会は始まった
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11:06 感謝状贈呈  (click!) 3階フロアーで行われた伊藤長七展  (click!)
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85周年記念同窓会にあたり、伊藤家所蔵の数々の貴重な資料のご提供とアドバイスをいただきました。当日、感謝の気持ちの一端として紫友同窓会は感謝状を贈りました。
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11:12 小石川賞授賞式   (click!) 3階教室で行われた紫友美術会展   (click!)
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アリーナ会場の午前はセレモニー。同窓の多彩な活動を紹介する「小石川賞」授賞式と各賞受賞者のスピーチ

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13:00 パーティー開始案内  click here!
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セレモニーが終わると、会場はテーブルが運び込まれ、一転パーティー会場に様変わり
アリーナだけでは入りきらず、校庭にもテーブルが据えられた。さらに3階の教室も会場に充てられると言った、大変な賑わいであった
13:15 フラメンコ  (click!)
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第2部の開始は、フラメンコから。踊るのは岩崎恭子(018)。
何が起きたのか・・・
記念同窓会の1日
2003年5月25日(日曜日)、休日の母校小石川高校は、時ならぬ人々の波で埋められました。創立85周年の記念同窓会、ホームカミングパーティー参加の新旧同窓生1000人です。中庭で受付をすませた彼らは、十数匹の鯉のぼりが青空に悠然と泳ぐ姿に目をうばわれたことでしょう。旧制五中時代に連綿と続けられたという、水素入り風船につるし飛ばしたあの大鯉のぼりの再現です。
アリーナ会場の午前はセレモニー。同窓の多彩な活動を紹介する「小石川賞」授賞式と各賞受賞者のスピーチです。
午後はイス席から大転換した宴会会場でパーティーと舞台プログラム。その日のために再結成されたあの「リトルストーンズ」OBバンドのスウィングジャズが会場に流れ、フラメンコも披露されました。
その他、公立校なれど創立者と呼ぶに相応しい初代校長伊藤長七の足跡を紹介する展覧会をはじめ、美術会展などが人々の関心を集め、お茶会のコーナーもつくられました。


あたかも夢のごとく・・・
しかし心に残る想いは大きく
会場は、主会場3階アリーナに加え、展示・回遊会場(廊下から教室を巡る)、そして先の1階中庭会場です。
校舎を使っての園遊会場設営は、それなりに気を配らねばなりません。事故もなくこのイベントを遂行することが出来ました。
3時にこの大パーティーは校歌斉唱をもって終了。清掃後校舎を学校に返還した時には、元の校舎に戻っていました。
一方会場を校外に移し、新たに400人の二次会参加者を加えた五中・小石川同窓生の大小グループは、隣のグリーンコートは言うに及ばず、巣鴨駅周辺の店を夜遅くまで埋め尽くしたと聞いています。
記念同窓会参加申し込みは、旧制五中1期99歳を筆頭に70歳以上250余人から055期19歳までに及び、この幅広い世代の元気、幸せそうな顔、そして運営側の仲間が見せた気持ちの良い協力と信頼。五中・小石川はすごいな、と実感する1日でした。


実行委員会・・・
一個人に戻り、生身で協力、実現
この記念同窓会の主催者は卒業年次016から020の実行委員会、5年ごとの回り持ちです。以前は本校卒業の先生方(校内委員)により運営され、ホテルなどの会場で行われていたという。前回80周年より、卒業生自身の企画・運営で、小石川高校キャンパスで行われるようになり、今回はその2回目です。
実行委世代は、戦後の社会現象を代表して語られることの多いベビーブーマーが中心です。社会では会社人間、家庭では核家族、都市化の急激な変化の中で地域的な活動は希薄となっしまった最初の世代。その世代が、こうしたボランティア活動を通じて、自発的で且つ個人の発想で再び新しい活動の場や方法を見出したとすれば、将来は明るいと言えるでしょう。
ここで実行委員会の運営方法に少し触れます。その基本姿勢は、個人の自発性と発想の尊重です。誰かが何かを提案し、何かを疑問に思う。その課題はその人自身が中心になり先へ進め、具体性、実現性が生まれる頃には協力者も増え、分科会として設立する。リアリティーが伴わなければ自然消滅する。これはプロジェクトを進める基本です。当初否定的だった記念品作成が、誰しも想像できなかった記念CD「我らは伊藤長七の教え子だった」として日の目を見たばかりか、毎年新入生に手渡されることになったのは、その代表的な成果でしょう。


創立者伊藤長七・・・
彼の遺志に支えられ
85周年のテーマは、「私の五中・小石川さがし」です。実行委員会を立ち上げ当初、招集を受け集まりはしたものの、何をしたらよいのか戸惑っていました。同窓会のことを考えたことはそれまで皆無で、いざ考えるとなると母校のこと、その歴史、同窓生の活躍など知りたいことは次々と立ち現れてきます。そうした流れの中から、「小石川賞」のアイディアが生まれました。
目的を、顕彰ではなく、同窓生の活躍を広く掘り起こすこと、ノミネート者を含め多くの方を紹介し、受賞者に五中・小石川とかかわるご自身の人生を語ってもらうこととし、メインイベントとして当日のセレモニーを飾りました。「立志」、「開拓」、「創作」に加え、「伊藤長七賞」の4賞と特別賞の各受賞者9人のスピーチは、いずれも母校に育まれた話題にあふれ、聴衆を惹きつけました。
そうした準備の中、骨太いテーマを与える出来事が訪れます。伊藤長七の原資料の存在が伝えられ、整理を手伝って欲しいと、遺族から依頼がもたらされたのです。島崎藤村などの友人知人への書簡、演説原稿、外遊時の写真や絵はがき、新聞記事等々で、ご子息の伊藤國男氏が戦渦を超えて守った貴重な遺産でした。伊藤長七の53年の怒濤の人生が語りかけてくるものは強烈で、たちまち強い影響が実行委の中にみなぎり、次々とプログラムが発想され、実現へと歩み出しました。
一次資料で長七のすべてを紹介する「伊藤長七展」。同窓の加藤剛さん(08)と長七の孫で劇団民藝の伊藤ひろ子さんの朗読とナレーションで長七の半生を再現する先述の記念CD「我らは伊藤長七の教え子だった」。会場への道すがらを彩る「長七展誘導パネル」。中庭会場の「鯉のぼりの上がりし日」再現などです。
伊藤長七の理念というDNAを受け継ぐ故に、共通の言葉、意志を持ち合わせています。それらは世代を越えて今日も続いていることを、インターネットのチャットを通じて、学内外の若者達が小石川高校を「人を束縛しない自由を尊ぶ学校である」と評価していることから知ることができました。遺伝子の強さを想わずにはいられません。

     85周年記念事業実行委員会委員長 柴田知彦

13:30 乾杯
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〜宴たけなわ〜    
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14:00 リトルストーンズ演奏 
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この日のためだけに再結成したリトルストーンズ。
午後もたっぷり聞かせてくれました


15:05 閉会挨拶    (click!)
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柴田実行委員長の閉会の挨拶
校歌斉唱
最後は会場の全員による校歌斉唱
 
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